これまで当校から、札幌在住の卒業生が2名誕生しています。現在、翻訳家として忙しい日々を送るおふたりに、翻訳のあれこれをおたずねしました。

  大嶌 双恵(おおしま ふたえ)さん

「英語を一度自分の中に取り込んで、オリジナルの日本語で表現することが難しくもあり、また幸せなこと…翻訳というと英語力が必要と思われるかもしれませんが、むしろ感性や日本語の表現力の方が大切。山本先生からも『オリジナルを書くように訳せ』と教えられました。それには、さまざまな本を読むことはもちろん、これまでの人生経験が役に立つと感じます」…とおっしゃる大嶌さん。

2001年10月『死ぬには、もってこいの日』(ジム・ハリスン著/柏艪舎刊)で翻訳家としてデビュー。その後も次々と、『殺人者は蜂蜜を贈る』(ジュリー・パーソンズ著/扶桑社刊)、『トラベリング・パンツ』(アン・ブラッシェアーズ著/理論社刊)、『彼女が乳がんになって考えた』(ブレンダン・ハルピン著/ソニー・マガジンズ刊)等訳書を出版。2003年6月には『トラベリング・パンツ』の続編『セカンドサマー』(アン・ブラッシェアーズ著/理論社刊)、2006年には『エラゴン 遺志を継ぐ者―ドラゴンライダー』 (クリストファー パオリーニ著/ヴィレッジブックス刊)出版


  卒業生Q&A

インターカレッジ札幌での受講開始から、卒業までの期間は? 四年半くらい。
インターカレッジ札幌で学び、現在実地に生かしている、もしくは講師のアドバイス等で記憶に残っているものは? オリジナルを書くように訳す、原文の透ける訳をしないようにという言葉が記憶に残っています。
ボキャブラリーや文章表現力を磨くための、効果的な方法などありますか? とくにこれといったことはしていないのですが、読書するときは、言葉の選び方から「てにをは」の使い方まで、なるべく意識しながら読むようにしているかもしれません。
翻訳をする上で、影響を受けた本はありますか? 色んな本を読みながら、それぞれに参考にさせていただいてますが、特にこの一冊というのはありません。
「翻訳は体力勝負」と言いますが、体力に自信は? 体力というか、健康には自信があります。ただ、運動不足が気になるので、なんとかしなくてはと  思っています。
日々翻訳家として、心がけていることは? 仕事は一日○時間と決め、土日は休む。ところが、これがさっぱり守れません。
翻訳の『三種の神器』もしくは『七つ道具』をあげるとすれば? 通常の英和辞書のほか、「類義語辞典」、「しぐさの英語表現辞典」、「COBUILDの英英辞典」。それと、絶対に欠かせないのがインターネット。
札幌で翻訳家を目指す方へのアドバイスをお願いします。 今は仕事をするうえで、地方のハンディキャップはほとんどないと思います。あとはそのチャンスをつかめるかどうかの問題。インターカレッジに通うことは北海道にいて、そうしたチャンスをつかむのに最も有効な手段の一つだと思います。

  鳥見 真生(とりみ まさを)さん

「翻訳の勉強の経験もなく、海外留学したこともなく、英文学科を卒業したわけでもないのに、なんとか独り立ちできたのは、具体的な翻訳テクニックから、翻訳するさいの心構え、プロとしてやっていくことの厳しさまで、いろいろと教えてくれたインターカレッジ札幌のおかげと心から感謝しています」と、鳥見さん。
【文芸翻訳研究室】在籍中数々の下訳をこなしたのち、2003年2月、『ミラードリームス』(キャサリン・ウエブ著/ソニー・マガジンズ刊)で翻訳家デビューを果たす。2003年8月、柏艪舎より海洋冒険小説『深く静かに潜航せよ』(エドワード・L・ビーチ著)出版。
2004年『ミラードリームス』の続編、『ミラードリームス〈2〉目覚めのとき』刊行。


インターカレッジ札幌での受講開始から、卒業までの期間は? 1998年から2003年3月まで。
インターカレッジ札幌で学び、現在実地に生かしている、もしくは講師のアドバイス等で記憶に残っているものは? それまで翻訳の勉強の経験は皆無だったので、インターカレッジで学んだことはすべて、今の自分の血となり肉となっている。リーディングの小川先生からは、英米文学の読み方を学び、それまでの自分の読書歴を振り返ることができた。山本先生からは、オリジナルの小説を書くように訳せという、高度だがプロになるためには必須のことを教えてもらった。
ボキャブラリーや文章表現力を磨くための、効果的な方法などありますか? 大量に日本語の文章を読み、大量に原文を読み、大量に訳す。
翻訳をする上で、影響を受けた本はありますか? とくにないが、日本語の巧みな小説には、ずっとあこがれを抱いていてきた。
「翻訳は体力勝負」と言いますが、体力に自信は? 週一回、スポーツセンターで筋トレ。毎日のラジオ体操。筋肉を鍛えて、シンプルで力強い訳文を生み出せるようになりたい。
日々翻訳家として、心がけていることは? 五感、さらには第六感を磨く。翻訳にまったく関係のない趣味で頭を切り替える。
翻訳の『三種の神器』もしくは『七つ道具』をあげるとすれば? 『神器』ではないが、集中力、頼りになる人間関係、辞書・辞典類。
札幌で翻訳家を目指す方へのアドバイスをお願いします。 チャンスがきたときは迷わず自分のものにする。東京のことや他人のことを考えずに、マイペースで毎日コツコツ努力する。