翻訳力を養う 辞書を引くタイミングとは?_文芸翻訳のコツ#5

最初から辞書を引かないこと

学校などで翻訳家を目指して勉強する場合、もっとも大切なのは、文章を読んで瞬間的に意味を把握する能力の育成です。

そのためにも、わからない単語をすぐに辞書で調べたり、始めから既訳本にすがるようでは落第です。

とにかく自分なりにわかるまで、辞書を引かずに読み込んでみる。

その何ともまだるっこしい作業が絶対に必要なのです。

わからない英単語は辞書を引く前に推測してみよう

それをやってもまだわからない所があると言うのは、たとえそれが日本文になってもあなたにはわからないはずなのです! 

つまり、文芸翻訳家としての“素質”に貴方は欠けているのかも知れません。

その覚悟を持って、意味のわからない英単語に自分なりの訳を付けながら読んでみる。

ここで初めて辞書を引いてみる

そして大体の意味を取ってから、
初めて辞書を引き
それぞれの単語の意味を理解して文章を読んでみるのです。

最初は苦しいです。時間も掛かります。

しかしそれをやるうちに、自分の“欠点”が見えてくるのです。

形容詞や副詞の意味がよくわからない、あるいは動詞の意味を知らない、とか。

しかしこの作業を何年か続けると、翻訳の作業時間は驚くほど短縮されるのです。

要するに、貴方が日本語で小説を書くようなスピードへと変化するのです。

これは皆さんに是非にも実行していただきたい工程です。