第18回翻訳コンクール二次試験審査 講評


皆様こんにちは。今回は第18回翻訳コンクール、二次最終審査の講評です。
 二次審査に残った者が15名で、その最終結果ということになります。
 さて、本文に入る前に、皆様のご理解を得たいことがあります。それは採点方法に関することで、これまでにもいろいろと試してきたのですが、なかなか決断がつかず、申し訳ありませんでした。今回、決定したことをお知らせいたします。
 まず、私の採点方法には、波線と直線、それに二重線があります。波線は、私は良いと思えないが、かといって駄目だとも言い切れない、と言ったところです。直線は誤訳に近い文章で、直していただきたいと思う文章です。そして二重線は、絶対に不可です。ちょっとひどい言い方かもしれませんが、二重線を引かれる様な文章を私は読みたいとは思いません。
 さて、訳文は400原稿字詰め用紙20から30枚ほどですが、その中でどれほどこのチェックが赦されるか? まず二重線はゼロでしょう。そして直線が二回ほど、波線は三回ほどが限度でしょう。波線は三回赦されるとして、原稿用紙250枚ほどか一冊の本ですから、この試験の十倍の量として、3×10=30箇所の問題点が出るわけです。この数字を多いと取るか少ないと取るか、それはまだはっきりとした答えは出ていませんが、私にとってはそれが限界です。
 今後は、二重線が三回引かれた時点で採点中止、直線と波線は五回までといたします。はなはだ勝手な申し出で申し訳なく思いますが、少なくともしばらくはこれでやってゆきたいと考えます。
 例えば、二重線が四箇所あったものの、他は完璧だったというような原稿があるかもしれません。その時には私も正直に皆様にお知らせするつもりです。私の採点にはほかにもいろいろとありますが、以上が肝心なところです。ご理解を賜れば幸いです。
 なお、今回の採点結果は最優秀者が該当なし、優秀者が一名、次点が七名。では――
 
インターカレッジ札幌 代表 山本光伸
 
 
 ~and Lindsey’s sidekick.
このsidekickは親友ではなく、仕事仲間ぐらいでしょう。
 
 To their surprise, Joe dug in from the left side.
ジョーが土を掘ったのは、では意味がわかりません。ジョーが構えに入ったのは、くらいのニュアンスが必要でしょう。
 
 ~and leader of the infamous Gashouse Gang in the 1930s.
 このinfamous Gashouse Gangは、悪名高いと言うよりも、スライディングするたびにガス工場の作業員のように真っ黒になることから取られた言葉のようで、名うての、とか勇猛果敢な、の意で捉えたほうが良いでしょう。
 
 ~, then broke for first base with his bat trailing.
一塁へ向かって、バットを残しながら駆け出す。これでは意味が良く取れませんね。バットをベース上に残したまま、一塁方向へ重心を移す、とでも?
 
 Kessinger walked home with the eventual winning run.
このwalked home は歩いて帰還し、ではなく、悠然と帰還し、がいいでしょう。
 
 ~and I was swinging at the first pitch.
そして初球から打ちにいきました。ぐらいでしょう。
 
以上が今回の最優秀者の原稿から拾ったものです。
 次点の方も大体同じような印象です。次回はぜひ頑張っていただきたいと思います。